監修:東邦大学医療センター 佐倉病院 消化器内科教授 松岡 克善 先生
エンタイビオの副作用と
日常生活での注意
注意が必要な副作用とその症状
エンタイビオの投与期間中に体調の異常などを感じた場合は、すぐに主治医もしくは薬剤師、看護師にご連絡ください。
副作用は早期に発見し、適切な治療をすれば重症化を防ぐことができます。
過敏症などの注入反応
エンタイビオの投与中、または投与後に息苦しい、じんましんがでる、皮膚が赤くなる、発疹が出る、血圧が変動する、心拍数が増えるなどの症状があらわれることがあります。
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息苦しい
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じんましんが出る
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心拍数が増える
医薬品リスク管理計画(RMP)資材「エンタイビオによる治療を受ける患者さんへ」より抜粋
感染症
エンタイビオの投与後は、感染症にかかりやすくなる可能性があります。
感染症にかかると、発熱、身体がだるい、のどが痛い、鼻水、咳・たんが出る、心拍数・呼吸数が増える、下痢、腹痛などの症状があらわれることがあります。
副作用の多くは、風邪や胃腸炎などの軽いものですが、それが重症化する可能性や、肺炎、敗血症、結核などの重い感染症にかかる可能性もありますので、投与後は感染症予防のため、手洗い・うがいを心がけてください。
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発熱
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鼻水が出る
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咳が出る
進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)
PMLは、治療による免疫力低下により、健康な人でも体内にもっているウイルスが活発になり、脳内のあちこちに病巣が作られる病気です。
エンタイビオの国内外の臨床試験では、PMLの報告はありませんが、海外では販売後にエンタイビオの投与によるものであるかどうか明らかでないものの、PMLの発現が報告されています。
PMLの診断にはMRI検査と髄液検査が必要ですが、早い段階でPMLの症状をみつけて対応することで、重症化を防ぐことができます。
以下のような症状を感じた場合、異常がみられた場合はすぐに主治医に連絡してください。
PMLの症状は徐々に進行するのが特徴です。
主な症状:体の片側のまひ、手足のまひ、手足の運動がうまくできない、言葉が出にくい、目が見えにくい、飲み込めない、けいれん、ぼんやりする、忘れっぽくなる、考えがまとまらない
医薬品リスク管理計画(RMP)資材「エンタイビオによる治療を受ける患者さんへ」より抜粋
気をつける副作用はなに?
エンタイビオの投与後、以下のような副作用がでる可能性があります。このような症状がでたら、医師・看護師・薬剤師にご連絡ください。
副 作 用 | |
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精神・神経 | 頭痛 |
消化器 | 吐き気 |
呼吸器 | のどの痛み、咳 |
皮膚 | 発疹、皮膚のかゆみ |
筋肉・骨 | 関節痛、背中の痛み、手・足の痛み |
その他 | 鼻やのどの炎症、発熱、気管支の炎症、風邪、インフルエンザ、疲労 注射部位の赤み、腫れ、かゆみ等(皮下投与製剤の場合) |
日常生活での注意
日常生活で気をつけることはありますか?
エンタイビオによる治療を受けている間は感染症にかかる可能性がありますので、投与後は感染症予防のため、手洗い・うがいを心がけてください。
予防接種は受けて大丈夫ですか?
予防接種の種類によっては、注意が必要なものがあります。予防接種を受ける際は、主治医に相談してください。