監修:東邦大学医療センター 佐倉病院 消化器内科教授 松岡 克善 先生

エンタイビオの投与方法
エンタイビオはどのように投与するの?
点滴静注製剤の場合
エンタイビオは1回300mgを30分以上かけて点滴静脈内投与します。
初回投与後、2週、6週に投与し、それ以降は8週間ごとに投与します。


皮下投与製剤の場合
1回108mgを2週間隔で皮下注射します。
※皮下投与製剤は、点滴静注製剤を2回以上投与し、治療反応が認められた場合に、医師の判断で皮下注射に切り替えることも可能です。


※エンタイビオ皮下投与製剤の投与は、エンタイビオ点滴静注製剤による症状の改善や副作用等を考慮しながら決めます。
※次に予定しているエンタイビオ点滴静注の代わりにエンタイビオ皮下投与の初回注射を行います。
エンタイビオ皮下注製剤について
エンタイビオ皮下注の自己注射については詳しくはこちらをご覧ください

自己注射ガイドブック
エンタイビオ皮下注射製剤(ペン、シリンジ)を適切かつ安全に使用していただくための手順とポイントを解説しています。
エンタイビオ皮下注製剤の注射部位
腹部
※へその周囲5cm以内は避けてください。
太もも前面
上腕背部
※ご家族が注射する場合
- 注射する部位は毎回変えてください。
- 前回の注射部位から少なくとも3cmは離してください。
- ほくろ、傷跡、あざのある部位や、皮膚が敏感な部位、皮膚に異常がある部位(傷、発疹、発赤、硬結など)には注射しないでください。
エンタイビオ皮下注製剤の自己注射ガイド
自己注射 ワンポイントコラム
自己注射時の痛みを和らげるポイント
一般的に皮下脂肪の多い部位に注射したほうが痛みが少ないと感じる方が多いようです。そのほかにも注射時の痛みを和らげるには、以下のような方法がありますので工夫してみましょう。
痛みの感じ方は人によって異なります。
主治医や看護師、薬剤師と相談しながら、自分に合った方法を見つけましょう。
痛みが出にくい注射の仕方1)
冷えた薬液を室温でしばらく放置してから注射をする
薬液が冷たいことで痛みを感じることがあるので、薬剤を冷蔵庫から取り出し、室温でしばらく放置してください。
皮下脂肪が多い部位に注射をする
一般的に皮下脂肪の多い部位に注射したほうが痛みが少なく、
特に太ももへの注射は腹部よりも痛みを感じやすいとされています3)。
注射する部位を圧迫する・つまむ
針を刺す数秒前から注射する部位を圧迫し、
しっかりつまみながら注射すると痛みが出にくくなります。

注射する部位や針を刺す場所を変更する
消毒用アルコールがしっかり乾いてから針を刺す
針は1回でスーッと刺す
注入はゆっくりと行い、注入後は針を素速く抜く
痛みを感じにくくする方法
注射する部位(ご自身の体)を冷やす
注射する前に保冷剤などをあてておき、
感覚を麻痺させることで痛みを感じにくくします1) 。

注射部位をさする
注射前に皮膚をさすったり、
マッサージしたりしておくと痛みが和らぐことがあります2)。
※注射後に注射部位をもむと腫れることがあるので、もまないでください。

できるだけリラックスする
注射時に深呼吸をするなど、できるだけリラックスしておくことも大切です1)。

1)石塚睦子. 別冊プチナース 注射の基本がよく分かる本. 照林社. 2004. P122-126.
2)深井喜代子 ほか. 日本看護研究会雑誌. 1992; 15(3): 47-55.
3)Heise T, et al.: Diabetes Obes Metab. 2014; 16(10) 971-976.